2022-2023年の最新カタログができました

今年もカタログができました!

今回の表紙は、白地に色とりどりの風船が目印。
今年は「空に飛び立つ家」と、そこでユニークに暮らす人々を描きました。

カタログの表紙には、毎年わたしたちtoolboxスタッフの思いをのせた妄想の家を描いてきているのですが、今年は、どうしてこんなテーマになったのか。

その経緯をご紹介します。

スタッフの本音を知れる「妄想の家ナイト」

毎年、夏前に開催される、スタッフほぼ全員参加のお楽しみ会「妄想の家ナイト」。

事前に、その年ごと「自分が住みたいと思う家」を妄想してきてもらい、一人一人発表しあうイベントです。

各自の発表したアイデアを似たテーマごとに分類したところ。

各自の発表したアイデアを似たテーマごとに分類したところ。

スタッフの普段とは違う意外な野望が知れたり、今年新しく入ってきたメンバーがデザイナー職でないのに手描きの絵がすごく上手!と判明したり。内容はもちろんですが、発表スタイルも様々です。家への価値観を通してお互いの人柄を知るという、toolboxらしい良いイベントだなと、主催者側は勝手に思っています。

去年はオンライン開催でしたが、今年はリアルとオンライン参加を交えたハイブリッド開催。

去年はオンライン開催でしたが、今年はリアルとオンライン参加を交えたハイブリッド開催。

あぶりだされた「個人の本質的に好きなこと」と「帰宅のありがたみ」

この2、3年の妄想の家は、世の中の変化、気ままに外出しづらい状況を受け、家の中でどう楽しむかのアイデアが多く出ていました。

今年は「1周回って、やっぱりこれが好き」「疲れてた自分に気付く」「衰えた体力を取り戻したい」など、ちょっと外から客観的に自分を見たアイデアが多かったのが印象的でした。

欲求が、家族とどうこうでなく、自分が遭遇している環境を変えたいとか、自分との向き合い方、自分主体でその欲望を叶える空間のアイデアが多かったんです。

子供優先で、あこがれの書斎を持つことは諦めていたお父さんが、リモートワークをせざるを得なくなって、強制的に狭いながらも自分のデスクスペースをつくってみたら、案外なんとかなるものだと気付けたり。子供は大切だし、身体に悪いことも分かっているけど、どうしてもタバコはやめられないという愛煙家がいたり。家族がいるとしても、一人の人として何が快適かを考えずして、家は成り立たない。

そんな、個々が本質的にゆずれない「好き」を満喫できる家。そして、もうそろそろ自粛はゆるめてもいいかな……という外に飛び出したい願望がたくさん出てきたのでした。

イラストレーターの舞木和哉さんに、そんなみんなの思いを盛り込んでもらい、楽しいシーンをたくさん描いていただきました。

移動中も身体を鍛えていたり、くすっと笑えるシーンがちりばめられています。

移動中も身体を鍛えていたり、くすっと笑えるシーンがちりばめられています。

そして、もう一つ。今年、その風船で飛び立つ家を描く時に同時に大切にしたのが、「帰宅する場所がある」という考え方。

いつも刺激を受けている雑誌「WIRED」日本版VOL.38掲載「HOME COMING -OLOGY 帰宅序章論」の コラムの中で、「旅というのは帰宅とセットであること。家にいながらにして出来る、バーチャル旅行体験やZOOM飲み、いろいろなことが増えたけれど、あたり前にあった『帰宅をする』という機会が失われてしまっている。」ということを指摘していました。

家や住宅というと、一般的にはそこで人々がどのように暮らすか、あるいはどのようにその場所をつくり上げるのかに焦点が当たりがちだが、帰宅を考えることで家や都市の異なった姿が見えてくるかもしれない。

このコラム自体は、「STAY HOME」という言葉が広がった2020年に書かれたものなのですが、6月に『タイニーブラケット照明』を発売するにあたって、玄関灯の話をしている時に、改めてチーム内でこのコラムを読み返す機会がありました。そして、ここ2年ほど、すっかりリモートワーク中心になっている私には、この「帰宅」の概念について改めて考える機会になり、個人的にもすごく心に刺さったのです。

仕事に出たり、外に遊びにいって、家に帰ってきてほっとするのは、「帰宅」という気持ちを切り替える行為があってこそ。だからこそ、より、家で過ごす時間がかけがいのないものになるんだねと、再認識して話し合えた出来事だったので、その思いも入れ込んでみました。

ドラえもんのような空き地?敷地?にポツンと残された「玄関ドア」探してみてください。

ドラえもんのような空き地?敷地?にポツンと残された「玄関ドア」探してみてください。

今年は印刷の色も新しい挑戦を

毎年、イラストとともに頭を悩ませるのが、表紙の色選び。

今年は、たくさんの風船で浮いた家という絵の輪郭が見えてきた頃から、「この風船をカラフルにするのもありかも」というアイデアがむくむく。でも、風船それぞれを全部を特色にしたら、印刷のお値段が恐ろしいことに……

デザイナーの加納大輔さんにそんな思いをぶつけてみたところ、提案してくれたのが、CMYKのインクの2色だけ蛍光インクを使うというアイデアでした。

同じアイデアで印刷された海外の雑誌を見せてもらいながら、色のバランスについて打ち合わせをしているところ。右がデザイナーの加納さん。左はスタッフの石田。

同じアイデアで印刷された海外の雑誌を見せてもらいながら、色のバランスについて打ち合わせをしているところ。右がデザイナーの加納さん。左はスタッフの石田。

色校正のチェックはしつつも、最終的には、本番の機械で印刷をかけてみないと、どんな発色になるのか分からない。ということで、最後は朝から印刷所に押しかけました。

「茶色の色のりがちょっと悪いかも……」「インクを載せる順番を変えてみましょうか」など、私たちのこだわりに、印刷会社の方も親身におつきあいいただき、無事、納得いく仕上がりとなったのでした!

印刷工場の責任者さんと刷りたての見本を最終チェック中。印刷のプロは色を網点の掛け合わせで見てるんです!

印刷工場の責任者さんと刷りたての見本を最終チェック中。印刷のプロは色を網点の掛け合わせで見てるんです!

中身は、事例紹介と豊富な商品ラインナップ

カタログ前半は、妄想を実現した人の家づくりの事例を3件ご紹介。舞木さんのイラスト付きの解説とともに、ご紹介しています。

撮影:Masanori Kaneshita

撮影:Masanori Kaneshita

PHOTO:兼下昌典

PHOTO:兼下昌典

撮影:Masanori Kaneshita

撮影:Masanori Kaneshita

その空間がまとっている雰囲気を上手に映しとってくれるカメラマン兼下昌典さんの写真たち。あえて解説ははさまず、写真だけのページの後には、それぞれの住まい手が、何を大切にして、その家を妄想していったのか。ある意味答え合わせのような、解説ページが続きます。

各ページ、いったりきたりしながら、お楽しみください。

撮影:Masanori Kaneshita

撮影:Masanori Kaneshita