事件は現場で起きている!プラン調整は現場との格闘

「実際の空間づくりの中で行う商品開発」をテーマにツールボックス工事班と、toolboxの商品開発チームがタッグを組み、自社購入物件のリノベーションに取り組む『studyroom#2』。

マスタープランが決まり、商品開発チームによる、試作品や発売予定の新商品を取り入れた内装設計のフェーズに入ると同時に、現場では解体工事がスタート。この日は、解体が進む現場にプロジェクトメンバーが集まって、状況確認をしていました。

間仕切り壁やキッチンが撤去され、多方向開口の開放感が体感できるようになりました。

43年前に建てられ、15年前にフルリノベーションがされていた今回の物件。

15年前のリノベーション時の図面も、竣工当時の図面も手に入れて、万全のシミュレーションで解体に臨んだものの、やはり、いろいろな“想定外”が出てきました。

まずはこの、住戸中央に突っ立った排水管と、ビョンと飛び出たダクト。覚悟はしていたけれど、思っていたよりも複雑な形状やルートをしており、壁や天井をすっきりした形状にしつつ、どう納めるかが課題に。

縦に走る排水管の周りには収納を造作予定。コレを隠しつつ収納スペースをどれだけ捻出できるか。

天井と梁の低さも気になっていたけど、仕上げを剥がしてみると、構造体との間にある“懐”と呼ばれる空間があまりないことがわかり、天井高さはさほど上げられない……。

どこまで頭上の開放感がつくれるかが、工夫のしどころになりそう。

梁や天井の各所に穴を開けて、“懐”の深さや状態を確認。

課題は足元にもありました。キッチン設置予定の場所の床を一部、壊してみると、コンクリートの躯体スラブに段差を発見! キッチンの床下に排水管を通す時は、勾配をつける必要があります。十分な勾配が取れるのか……?ドキドキしています。

仕上げの裏側にある配管のルートや、細部の納まりは見直しが必要になったものの、平面上のプランに大きな変更は要らなそうだったのは、幸いでした(ホッ)。

床下に現れた躯体スラブの段差。確保してみせるぜ、排水管の勾配!

ここから始まる、細かく地道なプラン調整。その重要な仕事を担うのは、ツールボックス工事班の東(あずま)。

建築学部出身で設計事務所で働いた経験があり、図面制作スキルと自宅リノベーションでも発揮されたその個性的なセンスを買われて、ショールームチームからツールボックス工事班に電撃移籍しました。

『studyroom#2』では内装設計を手掛ける商品開発チーム・山下のサポートとして、設計図面の作図を担当します。

作図を担当する、ツールボックス工事班の東。

そして工事班のニューカマーはもうひとり。現場歴40年の大型ルーキー・田井です。

以前に勤めていた会社でtoolboxのグループ会社・スピークが設計した案件の施工を担当していたつながりがあり、前職の退職後、工事班のメンバーとしてtoolboxにジョインしました。

『studyroom#2』では施工管理を担当。長年現場に関わってきたベテランの経験と知恵、頼りにしています。

昨年秋に入社したての新人でありながらベテランである、田井。

そして、基本設計を担当し、プロジェクトマネージャーとして全体をマネジメントする工事班の一杉と、内装設計を担当する商品開発チームの山下。『studyroom#2』はこの4人がプロジェクトメンバーとなって進めていきます!

工事班の一杉と商品開発チームの山下、電気工事士の見田さんも交えて詳細を詰めていくメンバー。

「グレーはグレーでも、どのグレー?」新商品を囲んで素材と色選び

場所は変わって、東京・目白のtoolboxオフィス。打ち合わせテーブルいっぱいに図面と建材サンプルを並べて、各部の仕上げ素材や色決めを相談する、山下、一杉、東の3人。

「寝室の壁にはこれを貼ろうと思ってて」

「グレーはグレーでも、どのグレーにしようか?」

「床はこの新商品のフローリングを使うんだよね」

小さなサンプルを見ながら、実際の空間の明るさや面積をイメージして決めていくの、大変ですよね。

『studyroom#2』では、これから販売する新商品や、開発中商品の試作を多く取り入れます。

開発中の商品たちの中には、さまざまな空間の中でのアレンジ性を考えて、「現場で塗装して仕上げる」前提で販売しようとしているものも。つまり「何色にもできる」わけですが、この「色決め」が、楽しくも悩ましい。

自邸づくりでポップなカラーセンスを発揮した東の助言も得ながら色選びを進めます。東は図面を描く上でも、「ここはどうなるの?」「ここはどうする?」といった具合に意見を出し、図面を描くだけにとどまらず、空間づくりに関わっています。

「この色は〜」「「「ここ!」」」3人の思いが合致。

今回、床は、設計段階で発売を間近に控えていた『チークウッドフローリング』をメインで使おう、と決めていました。

このフローリングも山下が開発を担当した商品。長い時を経たかのような深い飴色になるよう、チーク材の部位の選定から着色塗装の色までこだわり尽くしたアイテムです。

このフローリングをベースに、各部の色や仕上げ素材の選定を進めていきました。

採用予定の発売予定商品や、色サンプルたち。

所変わって現場から。一杉が床に並べているのは、開発中のペイント済みフローリングパネルの試作。久しぶりの一杉開発商品です。

「矛盾するんだけど、“木らしくない”フローリングを作りたかったんだよね」と一杉。

実はこのフローリングパネルは、『studyroom#1』でトライした、「既存フローリングに溝を彫って塗装でリメイク」というアイデアともつながっています。

今回は、『チークウッドフローリング』のほか、toolboxの人気アイテム『クラシックリブパネル』など、壁面にも木を取り入れた内装にする予定です。

ただ、床も壁も“木”にすると、少し主張が強くなりすぎてしまいそう。置かれる家具とのバランスも考えると、モノトーンな床が欲しい。でも、本物の木のフローリングならではの歩行感やあたたかみは欲しい。そんな場面を考えて企画したアイテムです。

果たしてこの試作は、空間の中で理想のイメージどおりに調和するのか?

空間づくりの「現場」を知る!田井先生の新人講習

素材や色、パーツなどの仕様選定を急ぐ中、現場は解体が終わり、下地づくりのフェーズに突入していました。間仕切り壁の間柱がどんどん建っていきます。

この排水管のまわりは壁が建つので、この眺めは今だけのもの。空間を仕切りつつ、どう“抜け感”をつくるのか、お楽しみに。

そこへ山下に連れられてやってきたのは、商品開発チームの新人たち。新卒入社1年目で、まだ「空間づくりの現場」を見たことがありません。これから空間づくりのための商品を企画していく彼らにとって、実際の現場で何が起き、どのように進んでいくのかを知ることは、とても大事なこと。

すると田井が、頼まれたわけでもないのに現場のあれこれを教え始めます。新人研修をナチュラルにスタートさせてしまう、現場歴40年のベテランルーキー。ありがたい。

田井が手に持つコンベックスが指示棒に見えてくる。

配管を通すために床を上げた部分の下地も完成。壁と天井の下地も組み上がり、新たな空間の形がだんだん見えてきました。

配管を通すために床を上げた部分以外は、既存フローリングの上に増し貼り予定。

壁や天井に取り付けるために下地が必要になるパーツの決定や、配管や配線の部材の確認など、内装仕上げ工事が始まる前にしておかねばならないことはまだまだあります。

「ここは何つけるん?」「あそこは下地どないすんの?」と、現場から仕様決定のケツを叩きまくる、関西生まれの田井。

現場からリモートで会議に参加する田井。早朝から現場に張り付きで作業を進めます。

次回はいよいよ内装仕上げ工事のスタート。

試作品盛りだくさんの今回の現場では、施工の過程で見えてくる気づきも多くあるはず。次回も、現場からお届けします。

既存のシステム洗面台を撤去し、新たな下地が組まれた洗面脱衣所。

ツールボックス工事班|TBK

ツールボックス工事班|TBK

toolboxの設計施工チーム。住宅のリフォーム・リノベーションを専門に、オフィスや賃貸案件も手がけています。ご予算や目的に応じ、既存や素材をうまく活かしたご提案が特徴です。

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毎週水曜日の13時から15時まで、東京・目白ショールームに施工チームがいます。工事に関するご相談も承っておりますので、この時間もご活用ください。

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テキスト:サトウ