実際に身体を動かす前に壁の構造、棚の取り付け方を理論的にお勉強。
皆さんメモをとりながら真剣に説明を聞いてくださいました。
コラムを読んでくださっている方にも簡単にご説明しますね。
普段私たちが触れている壁。
その内側には、下地といわれる柱がだいたい横に45㎝ほどの間隔で建てられています。
toolboxのショールームではその下地をあえてむき出しにした間仕切り壁が存在しますが、
下の写真のような状態です。
この柱を「石膏ボード」で覆い、その上からクロスなどで仕上げてある状態が
最も一般的な壁の構造になります。
ちなみに、自分の家の壁が何でできているかわからない方は、
画鋲などで壁を刺してみて、石膏の白い粉がついたら石膏ボードです。
棚の取り付けでは下地がとても重要で、「棚が落ちてきた!」
なんて経験がある方は、だいたいが下地にビスを打ち付けていなかったことが原因です。
石膏ボードは強度が弱く、それだけでは棚の重さを支える事ができません。
下地にしっかりビスを打ち込んで初めて、棚を支える力を確保することができるのです。
今回のワークショップではこの構造の壁に対して棚の取り付けを行いました。
使用したものは棚受け金物と足場板の床
足場板の床は床材として販売していますが、棚板としても人気です。
下地が大事なことは伝わったかと思いますが、
どこの壁も下地がむき出しなわけではないので、どうやって下地を探すのか?
探す方法は一つではないのですが
1、壁を叩いて音が違う場所を探す
これは初めて方にはなかなか難易度が高いのでおすすめはしませんが、
ある程度の場所の目星をつけるには良いと思いますので一度試してみてください。
2、下地チェッカー(針タイプ)で壁を刺してみる
いろんなところに刺すと針と言えども跡が残ってしまうので、
1のやり方である程度の目星をつけてから刺してみましょう。
下地でないところではあっさり刺さりますが、下地の場所だと手応えを感じるはずです。
3、下地センサーを使う
なかなかの優れもので、ボタンを押して壁をスライドさせると下地があるところで光ります。
両サイドから測って、下地の場所を割り出す事が出来ます。
下地の場所を割り当てたら棚を取り付けるだけですが、今回はワークショップなので、
本物の壁で取り付けを行う前に木材と石膏ボードでつくったお試し壁で練習を行いました。
インパクトドライバーを使うのも初めてな方もいらっしゃいましたが
みなさんとても楽しそうに作業に没頭。
わざと下地がない部分にも打ち込んでみて違いを体験。
私も体験してみましたが確かにビスの進み具合が全然違います。
抜くのも下地がある部分と比べたら簡単で、
確かにこれでは棚としての力は全くなさそうでした。
コツとしてはしっかりビスとインパクトドライバーを合わせて、垂直に押し込む。
力が弱いとインパクトドライバーだけまわって、ビスの十字部分がダメになってしまいます。
先程説明したように下地を探し、下地のある場所に取り付けるのはもちろんですが、
空間のバランスや実際の用途にあわせて取り付けることもとっても大事です。
思ったより低いな、少し曲がったな…こんな後悔をしないためにも、
どこにつけるかはしっかり計算しましょう。
少しはなれて全体とのバランスをチェック。
付ける場所が決まったら印を目立たないように付けるとやりやすいかと思います。
棚受け金物の場合ビスをいくつか打ち込みますが、最初から全て打ち込まず、
まずは真ん中のビスだけ止めて仮止めしましょう。
そうすれば少し高さをずらしたい場合でも、棚受け金物で穴が隠れて見えなくなるので取り外して修正することができます。
棚受けを仮止めしたら棚板を置いて、水平器で斜めになっていないかも確認しましょう!
場所が確定したら全ての穴にビスを打ち込みしっかり取り付けます。
棚受け金物自体にインパクトドライバーがぶつかるので少しやりにくそうでしたが、
出来るだけまっすぐに押し込みことが重要です。
高いところに取り付ける場合は脚立にのって行った方がやりやすいですよ。
棚受け金物を壁に取り付けたら棚板になる足場板と棚受け金物を合体させます。
足場板を抑える人とビスを打ち込む人の2人で行うとやりやすいです。
特に少し反ってしまっている足場板の場合、しっかり抑える人がいるととてもスムーズ。
ちなみに、今回はワークショップだったので
足場板はもともと棚にちょうど良い長さでカットされていましたが、
本来の長さは1900mmなので必要に応じてカットする必要があります。
スライド丸ノコがあれば簡単ですが、ノコギリでも出来ない事はないので頑張ってみましょう!
下から打ち込むのにみなさん苦戦していましたが、
練習した成果を発揮してしっかり取り付ける事が出来ました。
最後に、棚の取り付けの流れをおさらい!
1、取り付ける壁が石膏ボードなのかどうかを確認
2、石膏ボードであれば下地を探す
3、棚受け金物を取り付ける場所を決めて壁に仮止め
4、棚板の足場板を置いて水平になっているかを確認
5、棚受け金物をしっかり壁に取り付ける
6、棚受け金物に対して棚板となる足場板をしっかり固定
文章に書いてしまうとこれだけです。
後はインパクトドライバーの使い方になれてしまえば誰でも付けれるようなものなので、
端材があれば本番前に練習すると良いかもしれません。