「脱・王道」で目指した、少し上質なオフィス

toolboxが長年リノベーションを手がけてきたのは、築53年・8階建ての賃貸オフィスビル。
駅から徒歩2分という利便性のある立地で、空室が出るたびに改装の相談を受け、これまで数多くの区画をリノベーションしてきました。

賃貸物件の場合、空間をつくるだけでなく、「次はどんな人に使ってもらいたいか」を考えることも大切です。

グループ会社である東京R不動産とも連携しながら、想定される入居者のニーズを読み取り、その時々に合った改装を提案してきました。

 

改装前の室内。ワンルームのオフィス空間を、今回のターゲットに合わせてアップデートしていきます。

これまで主なターゲットとしてきたのは、スタートアップ企業。
天井を躯体現しにして、壁を塗装し、床を貼る。シンプルな工事でも、素材や仕上げを整えることで、一般的な「事務所」とはひと味違う空間に生まれ変わります。
そうした定番のスタイルで、これまでにもいくつもの区画をリノベーションしてきました。

けれど今回は、これまでとは少し違う方向性に。

これまでのように、成長に合わせて拠点を移すこともあるスタートアップ企業だけでなく、ひとつの場所で長くオフィスを構えたい企業にも選ばれる空間へ。
内装にこれまでより少しコストをかけても、長く入居してもらえれば十分に見合う。そんな考えのもと、快適さや落ち着いた雰囲気にも目を向けた、少し上質な空間を目指すことになりました。

そこで掲げたコンセプトが、「脱・王道スケルトン」。

これまで積み重ねてきた定番のリノベーションをベースにしながら、今回はどこに手をかけ、どこを活かすのかを改めて考えていきました。

いつもの空間に、ひと工夫

すべてを新しくするのではなく、既存を活かしながら、手をかける場所を見極めていった今回のリノベーション。天井は既存の仕上げを活かしながら、白く塗装しました。
その分、空間の印象や使い勝手を左右する部分に、ひと工夫を加えています。

その中でも、今回の「脱・王道」を象徴するポイントのひとつが床です。

縦横の板が規則正しく並ぶ朝鮮貼り。床にリズムが生まれ、空間のアクセントになっています。

定尺のフローリングを朝鮮貼りに。実際の寸法をもとに、どのように貼ればバランスよく見えるのかをシミュレーションしながら、模様の出方を検討しました。

完成してみると、縦横のラインが規則正しく並び、足元から心地よいリズムが生まれる仕上がりに。いつものフローリングとはまた違う、室内の印象をつくるポイントになっています。

実際にフローリングを並べ、縦横のバランスや模様の出方を見ながら配置を検討しました。

収納にも、これまでとは少し違う工夫があります。

折れ戸は『塗装ルーバー折れ戸』アイボリーを採用。

これまで手がけてきた部屋では、収納もオープンにつくることが多かったのですが、今回はあえてルーバーの折れ戸を設け、中にしまったものが見えないようにしました。

そして、玄関には大きめの扉付き下足入れも取り入れています。

下足入れには『オーダー玄関収納』のバーチを採用。製作できる最大サイズはW1350ですが、今回はW1710の幅に合わせて2台を組み合わせています。

実はこのビルは、もともと住居だった建物をオフィスとして使っているため、室内に上がる際に靴を脱ぐつくりが残っています。床をすべて解体してフラットにするのではなく、既存の床の上から新しい仕上げを重ねることで、工事費を抑えながら改装してきました。

そんな建物ならではの特徴に合わせて、今回は玄関まわりの収納もアップデート。扉付きの大きめの下足入れを設け、すっきりと使えるようにしています。

一方で、木製の可動棚はあえてオープンに。

見せる収納として取り入れた『木製シェルビング』。置くものを引き立ててくれる佇まいで、何を置いても絵になります。

すべてを隠すのではなく、見せる場所もつくることで、収納にも空間のアクセントとなる役割を持たせました。

また、木製シェルビングの壁は、トイレの扉が室内から直接見えないように新設したもの。その裏側にはコートを掛けられるスペースもつくり、使い勝手にも配慮しています。

木製シェルビングを取り付けた壁は、これまでオフィス側から丸見えだったトイレの入口を隠す役割も。その裏側にはコートを掛けられるスペースを設けました。目隠しへの配慮と使い勝手の良さを両立しています。

洗面スペースは、給湯室としても使えるように計画。カップや小物を置けるオープン棚を設け、壁塗装は部屋とは雰囲気を変えて、やわらかなアイボリー色を採用しました。

アイボリーの壁に、『レギュラーシェルフ』のシナと『スクールシンク』を組み合わせた洗面スペース。やわらかな色合いの中で、『アルミフレーム』のミラーやステンレスがさりげなく光り、空間を上品に引き締めています。

ステンレスのシンクが引き立つ、少し落ち着いた表情のスペースです。

はじめて一から担当した、忘れられない現場

実はこの物件、担当者にとって入社後初めて一から担当した現場でした。

「初心者マークで挑みました」と振り返るほど、周囲のスタッフや職人さんに助けられながら進めた現場。失敗や後悔もあったといいます。
例えば、床を解体しすぎてしまい、もう一度床を組み直すことになったことも。

けれど、そうした経験の一つひとつが、今の仕事の糧になっているのだとか。

お気に入りは、玄関まわり。モルタル塗装を施したアクセント壁が、空間にほどよい個性を添えています。

きれいに左官されたモルタル壁と、バーチ材の『オーダー玄関収納』の組み合わせ。

これまで積み重ねてきた定番のリノベーションを土台に、今回はそこから少しだけ新しい提案を加えていったオフィス。
完成後はすでに借り手も決まり、新たなテナントを迎えることになりました。

いつものやり方を知っているからこそ、次の一歩を考えることができる。そんな挑戦から生まれた、これまでとは少し違うオフィスリノベーションです。

担当:白鳥/テキスト:東

TBK
オーダーメイドリフォーム
自分好みの空間を、専属スタッフと一緒に実現するフルオーダーリフォーム
対応地域
東京23区および近郊
ツールボックス工事班|TBK

ツールボックス工事班|TBK

toolboxの設計施工チーム。住宅のリフォーム・リノベーションを専門に、オフィスや賃貸案件も手がけています。ご予算や目的に応じ、既存や素材をうまく活かしたご提案が特徴です。

オーダーメイドリフォームのご相談はこちら→TBKに相談する
リフォーム相談会定期的に開催中 詳細はこちら→コラムを読む

毎週水曜日の13時から15時まで、東京・目白ショールームに施工チームがいます。工事に関するご相談も承っておりますので、この時間もご活用ください。