カラーとモノトーンの間に2灯並べて。その場に心地よい秩序が生まれます。(E17ブラック+『ハーフマット電球』φ50)(撮影協力:株式会社AIDAHO)

モーガルソケット第二形態

家づくりの現場で、最もノーマルな照明器具といえば磁器製のモーガルソケット。

主張せず“ただ明るさを添えるだけ”の壁付けソケット。色々探した建築のプロが結局はこれに戻ってくる、長年選ばれ続けてきた明かりの原型です。

古道具屋で目にする碍子にも通ずる道具感。本来は照明器具を成立させるためのパーツとしてつくられているもの。

飾るためにデザインされたというよりも「機能のために生まれてしまった」無作為な造形は、どこか潔く、唯一無二な存在感を放ちます。

そんなモーガルソケットの良さを引き継ぎ、壁面と一体化させたのが、今回ご紹介する『モーガルレセップ』です。

深い色味の木壁に、艶やかなブラックをひとつ。(E17ブラック+「ハーフマット電球」φ50)(写真提供:株式会社AIDAHO 撮影:中村晃)

露出していたソケットは、壁の向こうへ。磁器の質感だけ残して、空間に余計なノイズは与えない。ただそこに光を定着させるような新しい電灯器具の話です。

最小径のチラリズム

壁に埋め込んだことで「何者でもない感」に磨きがかかったこのレセップ。実はこれ「小さな電球にも似合う埋め込み照明が欲しい」という現場の声から生まれたもの。

余白の中に、ポツリとひとつ。小さいけれど、遠くからふと目が合う。(E26ホワイト+『フロストLED電球』スノーφ50)

これまでのレセップ照明の多くは、磁器製のソケットを別の素材でカバーする構造が一般的でした。

そうすると、どうしても電球との間に「いかにも器具っぽい隙間」が見えてしまう。大きめな電球なら隠せても、小ぶりな電球を合わせたときに隙間がノイズになる……というのは、空間での見え方にこだわり抜く設計者ならではの悩みでした。

その課題を解決した「モーガルレセップ」は、台座の部分までまるごと磁器による一体成形。異なるパーツを組み合わせるのではなく、ひとつの滑らかな塊としてつくられるため、ソケットと台座の間に「継ぎ目」となる隙間がそもそも存在しないんです。

小さな電球やクリアタイプでも。ソケットと電球がシームレスに繋がる、一体感のある見た目をつくります。(写真の電球:ブラック φ70mm / ホワイト φ35mm)

台座のサイズもまた絶妙で、冷酒のぐい呑みくらいの小ささに抑えられています。厚みはたっぷり6mmあり、焼き物特有のぽってりした質感が味わえます。

E17の台座は更に小さく45mmほど。点を打つような感覚で光を添えることもできる。(E17ブラック+「ハーフマット電球」φ50)(撮影協力:株式会社AIDAHO)

例えば、直径50mm程度の小ぶりな電球をつけた時には台座と一体になって、壁から「にゅっ」と生えてきたみたいな見た目に。

70mm以上の電球を合わせれば、正面からは台座が隠れる訳ですが、完全に隠れてしまうものでもなく、近づいて横から見ると厚みのある磁器がチラリと覗きます。

存在感のある変形電球と組み合わせたところ。「見せすぎないチラリズム」こそ、この器具ならではの醍醐味。

LEDの普及により、電球を替える頻度は減りましたが、気分に合わせて電球を選ぶ楽しみは残しておきたい。どんな電球も受け止める「変身の余地」を残した、定番アイテムです。

素地そのままの白、混じり気のない黒

床の間然としたニッチに。質感のある壁に広がる光が綺麗。(E26ブラック+「フロストLED電球」アイスφ70)(撮影協力:一級建築士事務所 knof)

カラー展開は「ホワイト」と「ブラック」の2色だけ。元祖モーガルソケットと同じ仕上げとしています。

「ホワイト」は、素地そのままの色を活かした透明釉薬仕上げ。「ブラック」は濁りのない純度100%の黒。どちらも「飾るため」の装飾ではなく、「素地を保護するため」の釉薬。「昔の焼き物といえば、こうだったよね」と言いたくなるような、マットともゆらぎとも違う、素直な表情です。

実用本位で迷いのない仕上げは、マットな白壁の中でこそ活きてきます。(E26ホワイト+「フロストLED電球」アイスφ70)

曖昧な中間色が好まれる今の時代に、混じり気のないパキッとした白黒の展開。むしろ白黒つけない今だからこそ、このはっきりとしたコントラストが効いてくるのかもしれません。

消灯している時は、内装と電球の境界線となりその場を引き締めるアクセントに。そして明かりをつければ、磁器の艶が反射して、光の輪郭を際立たせてくれる。

電球の形や光の広がり、色の温度。「電球そのものの個性」を、無垢な白と黒が引き出してくれるのです。

淡いトーンをブラックで引き締める。磁器の艶が光を拾い、その厚みも浮き彫りに。(E17ブラック)

引き立て上手、気配り上手

カラー壁面に、縦2連で並べて。背景と同系色のコッパー電球を厚手の磁器が支えます。(E26ホワイト+『ミラーLED電球』コッパーφ60)(写真提供:EMMA’s FOOD & GROCCERY 茅野ベルビア / 設計:REPUBLICA)

どんな空間に置いても出しゃばることなく、どこまでも脇役に徹する「モーガルレセップ」。

けれど、本当の脇役の力は、仕上げにこだわり抜いた空間の中でこそ、発揮される気がします。

和紙の壁に沈むことなく、電球を支える。(E26ブラック+「フロストLED電球」アイスφ70)(撮影協力:一級建築士事務所 knof)

周囲の素材感と喧嘩せず、かといって埋もれることもない。どっちつかずのようですが、本当にそんな包容力を持った存在なのです。

実際、私たちの予想を超えて「こんな場所にもありなのか!」という使い方をされるプロの方も多く、その引き出しの多さに驚かされています。

太鼓貼りの障子に左官壁、質感のある和の空間に一灯。意外な組み合わせのようで馴染んでます。(E26ホワイト+「フロストLED電球」アイスφ70)(撮影協力:一級建築士事務所 knof)

かつてのモーガルソケットがそうだったように「周りは変化していったけど、これはずっとある」。そんな家づくりにおいてなくてはならない、頼れる存在になっていく予感を、この磁器の小さな塊に感じています。

小さく添えて、壁面に見どころをつくる。(E17ブラック+「ハーフマット電球」φ50)(写真提供:株式会社AIDAHO 撮影:中村晃)

モーガルレセップの全4商品

担当:仙波、mori / テキスト:岩崎

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