「高くていい機材を買うんじゃなく、あまりお金をかけず、持っているスピーカーに何かするだけで音がよくなったらよくない?」どうやら、そういうノウハウがあるらしいんです。

教えてくれるのは、グループ会社、東京R不動産の立ち上げメンバーである三箇山さん。オーディオにハマり、色々学び実践中。彼曰く、オーディオの置き方や、いい音が鳴るために壁の素材の選び方とか、どうせなら家づくりの時に知っておいた方がいいことがあるとのこと。

実際、2025年冬に、ツールボックス工事班がリノベーションしたお客さま宅でも実践してもらい、いい音に包まれたその家の居心地が確実に良くなったのを体感。これはすごい!toolboxメンバーはもちろん、家づくりに興味あるみなさんにも、お伝えしたいと思いまして、彼が学んだことを連載形式で語ってもらうことになりました。

そんなわけで、オーディオDIY連載はじめます。

語り手はこの人

三箇山 泰

1978年生まれ。東京R不動産立ち上げメンバー。泊まれる公園「INN THE PARK 沼津」の企画プロデュースを行ったり。個人としては、ドーナツ屋の社長でもある。目をつけたものは、恐ろしいスピードと深度でのめり込む傾向あり。

どんなスピーカー持ってます?

突然ですが、部屋のスピーカー選びって難しくないですか?
自分はすごく悩みました⋯⋯

そもそもスピーカーって、割とどんな家でも大きかれ小さかれ普通にあるものだと思っています。そして、部屋の中で結構主張する、目立つ存在でもある。

その割にデザインの選択肢が少ないんですよね。
大別すると黒いやつか、茶色い木な感じの二択とかで(調べていくと本当に深い世界で色々あるのだけど、とりあえず家電量販店にあるレベルだとこんな感じ)ちょっと変わったとか、個性的なこと考え始めると全部同じに見えてくるというか、何を選んでよいか分からなくなる。

2年前の我が家。左側のTV下にあるスピーカーは昔の。3年前に新築した戸建て、2階がリビングです。

あとこれ、機能的には音を出すものなので、音関係なしにデザインだけで選びづらい。もちろん家電量販店とかで試聴できるのだけど、割とどんなスピーカーもそれなりによく聞こえるし、逆に取り立ててどれが良い、みたいな風にもならない。後々、知識がついてくると家電量販店の環境だったらそりゃそうなるわな、みたいになるのですけど。

初心者からしてみるとこんな感じだと思います。結果として、SNSとかレビューとか見ながら評価が高くて、デザイン的にも妥協ができるのを選んでしまう。

自分も1年前までゴリゴリの初心者で、いま書いたような感じでスピーカーを選んでました。

「家」って総合力勝負

今回の連載のコラムの舞台はリビングです。

いい家を構成する要素って、デザインだけではない。インテリアでもない。音とか、香りとかもあって、グリーンもあったり。家族関係とかも、もちろん含まれる。

で、その中でも音環境って、家で過ごす幸福度(クオリティオブライフ!)への貢献度合いが結構な比率を占めると思ってまして。

スピーカーをきっかけにすると、なんか良い循環が生まれる気がしているんです。音楽はみんな好きだし、良い空間には良い音楽が流れているもので。良い音なら、家人からの反対は起きづらい。結果、居心地の良い部屋のできあがり!となるに違いないと。

オーディオの前にグリーンにものめり込んだ自分。温室をつくって交配したり。色々やってます(笑)。

そんなこんなで自分はネットで検索して、写真みたいなスピーカーがかっこいい!リビングに置きたい!となって、まずは、これがなんなのか?調べ始めたわけなんです。

インテリアとオーディオのよき参考書を探すとしたら?

ちょっと話がそれますが、部屋って、インテリアってどうあるべきだろう?って考えるときに、いつも思い出すのが、自分が学生の頃に発売された「TOKYO STYLE」って本です。これ特におしゃれとかいう話ではないのだけど、人となりというか、キャラクターや趣味が部屋に表れてきてこんな感じの部屋になっちゃいました⋯⋯みたいな部屋がたくさん見られます。

TOKYO STYLE  築 響一著 初版がでたのが1993年。写真は、2024年に発売された新装丁ver.です。

例えば、いまで言うと、桐島かれんの植物とか、NIGOのフィギュアとか、普通の人からするとやりすぎだろ、って状況がそのまま部屋に表れていると、うまくまとまっていると、本物感があるというか、必然性があるというか、ああいいなって思えるというか。

POPEYEとかの海外の部屋特集も同じような話だと思うんです。なんか部屋にその人となりが現れている。もちろん日本に少ない物件タイプだというのもありますが。

自分からしてみると「TOKYO STYLE」の延長にある部屋はおしゃれに見えるし、そうじゃない、見た目だけっぽくて、何も住んでいる人の個性が表れて見えない部屋はふーん。となっちゃう⋯⋯

そんなスタンスで、オーディオとインテリアに関連する本を探して、見つけたおすすめが、「オーディオ好きの家に行く」というシリーズです。

気づけば色々買ってました。右側の黒い「オーディオ好きの家にいく」が特におすすめ。

全巻持っているけど、特に黒い表紙の巻がすごく良い。基本的に、おじさんたちがそれぞれ、良い音が聞ける部屋やスピーカーを作っていったら結果こうなりましたというムックなのだけど、なんか「TOKYO STYLE」感がある。

おしゃれじゃないですよ。おしゃれじゃないけど、がっつり強い。本物感ある。おじさんたちの笑顔がステキ。全くこのまま作っちゃうと家族に怒られそうだけど、この方向性でのめりこんだ上でインテリアと馴染んだ音環境を作れたら良いんじゃないかと思ったわけなんです。

師匠との出会い。高い機材でなく、音を鳴らす「技術」が肝!?

ただ、本を読んだだけでは、具体的に何をしていいのか正直全然分かりません。これは誰か詳しい人見つけないとってなって、今度はSNSで調べまくったんです。

そしたら、すごくマニアックなことをやってる人を見つけてしまいまして。DMを送ったら、色々教えてもらえることになりました。勝手にスピーカーの師匠と呼ばせてもらっています。厳密には直接会ってはいない、通信教育なんだけど、その師匠にオーディオに関するあらゆることを教えてもらえることになったんです。

師匠いわく「スピーカーは白物家電と違うよ。コンセント挿せば100%の力を発揮してくれるわけじゃあない。そこから先、手をかけてあげないと力発揮できないよ」と⋯⋯

基本的に、良い音環境って高級な機材を買えば、手に入るもんだと思ってたんだけど、そうじゃなかった。“スピーカーを良く鳴らす技術”というものが存在するという、目から鱗な話。

こんな話を書くと、マニアックな話始まった。みたいな感じになりますよね。

ちょっとオーディオに詳しい人なら分かると思うんですが、今オーディオ機器って本当に高い。良い音環境を手に入れようと思ったら何百万の出費も覚悟、みたいな感覚があると思います。そんな世界に対して、高い機械を買うってことでなく、いまある機器をDIYでカスタムしてもっと良い音鳴らそうぜというのが、師匠のやっている世界。

そもそもスピーカーを最初に買おうと思った動機を思い出してみてください。良い音を聞きたいと思ったからでしょ?であれば、ちょっとした手間をなんとか許容してみてやってほしいんです。すごく変わるから。マジで。

というわけで、このコラム内ではスピーカーをうまく鳴らすコツや、空間の中でやった方が良いことを何回かに分けて解説していこうと思います。全部師匠の受け売りですが、実際に自分が全て実践していることでもあって、結果は体験済み。間違いなくおすすめできます。

直近の自宅の様子。既存カスタムに飽き足らず、自作スピーカーをつくったり、背面壁の補強で『クラシックリブパネル』を貼り足してみたり。

あ。そうそう。最後に、なぜこのコラムをtoolboxでやるか?

インテリアの一部だから、DIYな作業も多いから、というのももちろんあるのですが、リノベーションや新築の時にやりやすいことがめちゃくちゃたくさんあるんです。この知識があるだけで、できあがった空間の音の鳴り方が全然変わる。あたりまえだけど音って空間の影響をすごく強く受けている。 

そんな話も追々していこうと思います。

vol.2に続く

自宅にあった自作スピーカーをtoolboxオフィスの地下に持ち込み、試聴会をやりました。スピーカーづくりの話も何話目かで語ろうと思います。

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担当:来生