ご紹介するのは、RC造と木造が混合した2階建てのテラスハウス。テラスハウスとは、戸建てがくっついて並んだ建物のことで、集合住宅ではあるものの、隣戸と共有するのは境界壁だけで、独立した戸建て感覚で暮らせることが魅力です。

そんなテラスハウスをフルリノベーションしたこちらの住まい。石垣やコンクリートブロック、ウッドフェンスを設えたエクステリアが西海岸の気分!

庭に面した1階リビングは、チークのパーケットフローリングが広がります。この部分は木造で、天井は板張りで仕上げ、木の梁を現しに。開放感と落ち着きが同居しています。冬はペレットストーブの火を眺めながらくつろぎたくなりますね。

窓辺には、棚としても使えるベンチを造作。腰掛けてお茶を飲みながら庭を眺めたり、読書をしたり。家の中にいても外を感じて過ごせる仕掛けです。

ダイニングスペースは、ベンチ側の天井を低くしています。勾配天井の開放的な空間の中、ダイニングの一角に親密な雰囲気が生まれていて、食卓を囲む家族の会話が弾みそう。

ダイニングと緩やかに繋がったキッチンは、馬貼りした白い小口平タイルがアメリカンな雰囲気。木組みのキッチンは扉のないオープンな収納で、大きな鍋もザルなどの通気が気になるものもどんどん置けます。タフな『メタルシェルフ』も、家電置き場やパントリーとして活躍してくれそう。お気に入りの道具や器を愛でながら、料理をする時間を楽しめるキッチンです。

こちらはリビング・キッチン・洗面室・2階への階段を繋ぐ玄関ホール。正面の壁は有孔ボードで仕上げられています。ここは、家族もゲストもみんなが必ず通る場所。荷物を掛けたり、雑貨を飾ったりできる壁面は、日常の中で大活躍しそうですね。

洗面所では、白い100角タイルと丸みのある陶器の洗面器、クラシカルな水栓が、レトロ感を醸し出していました。ミラーの上に取り付けられた『ミルクガラス照明』も、その雰囲気づくりに一役買っています。

打って変わって2階は「昭和のお家」感がたっぷり残されています。このテラスハウスが建てられたのは昭和44年。階段室の仕上げは既存のままで、格子窓から和室越しにほんのり光が落ちてきます。左の部屋は竿縁天井、右の部屋は船底天井。おばあちゃんの家の天井や階段を思い出して、懐かしい気持ちになってきます。

白い壁は塗装し直し、カラークロスをアクセントに。畳は縁無し畳を採用して、襖紙は新しく張り替えました。和の要素はそのままですが、仕上げを変えるだけでもここまでモダンにできるんですね。

こちらの個室も、既存を活かしたウッドパネルの壁と有孔石膏ボードの天井、そして蛍光灯タイプのペンダントライトが「昭和感」を漂わせています。古びた部分や設備機器はしっかり更新しているのですが、活かせるところは活かして、その空間の個性にする。リノベーションならではの空間づくりです。

とはいえ、この家のリノベは表層だけではありません。この家で採用されているのは、次世代の断熱材として注目されている木質繊維断熱材で、高い透湿性と低い熱伝導率が特徴。さらに、外壁仕上げにはドイツSto社の透湿性の高いモルタルを使っており、冬の寒さだけでなく、蒸し暑い夏も快適に過ごせるようにしているのだそう。もちろん窓は全てペアガラスに交換済み。見えない部分もしっかりアップデートされています。

築50年を超える家の味わいを活かしながら、長く快適に暮らすための工夫も詰まったこちらの事例。オールドアメリカンなテイストと、昭和の家の味わいは好相性という発見ももたらしてくれました。テラスハウスではありますが、戸建てリノベの参考にもなると思います。

(撮影:akari kuramoto

こちらの事例はimageboxでも詳細をご確認いただけます。

(株)アトリエイハウズ

新築・リノベーションの設計施工を行う工務店。デザインだけでなく、耐震や温熱環境に配慮した建築も得意。リノベーションでは、性能向上をベースに「アップサイクル」「ネオクラシック」をテーマに掲げ、オンリーワンな空間を提案しています。京都・西京極にある自社ビルには珈琲焙煎所「WESTEND COFFEE ROASTERS」を併設。

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