木々が青々と茂る大阪郊外のニュータウン。オーナーが、自らも住まう団地の空き部屋を再販売用に購入、新しい試みを始めました。どうしても「人口減少」という言葉が見え隠れする団地という箱に対して、こんな住人が合っているし、こんな住人に住んでほしい、と思いを巡らしたそう。

参考にしたのは、オーナーが学生時代から何度も現地を訪れ、エッセンスを取り込んできたスウェーデン人の豊かな暮らしでした。

もし感覚合う方がいたら「ぜひ手持ちの北欧家具と一緒に住んでほしい」とオーナーの私情はさておき…toolboxから選定してくれた商品を紹介します。

築50年、大阪郊外の団地

LDKにオープンで備え付けられたのは木製ミニマルキッチン シナ W2100

本物の木を纏った家具のような雰囲気を気に入ってくれました。調理機器でもあり、スツール置けば簡単なテーブルにもなる、カウンターキッチン。W2100というサイズはシンクも加熱機器も調理スペースも十分満足できる使いやすいサイズだと思います。

フラットレンジフードやキッチンパネルのホワイトカラーを背景に北欧食器やデザイン家電を埋め尽くしてほしいです。

洗面には、水彩タイル 25角 セラドンスクエア洗面器 ハイライズ

フィンランド食器を思わせるセラドンカラー、水回りを穏やかに見せてくれます。

トイレにもそっとアクセント、木のペーパーホルダー

玄関には、土間タイル 内床用 グレー

落ち着いた風合いなので、新旧混じり合う空間にすぐに馴染んでいます。

話は飛躍しますが、オーナーはスウェーデン第2の都市であるイェーテボリがお気に入りの街。

トラムの車窓から見えた社会住宅は木々に囲まれ、枝間から見える住戸の様子がとても印象に残っているそうです。幸せな雰囲気がはみ出てきている個性的な装飾や工夫に感化され、「楽しく暮らすっておもしろい」と数十年後こんな物件を作ってしまったのでした。

自らも住んでいる団地だからこそ、湿気対策と設備交換にも真摯に向き合ったという話も興味深かったです。天然断熱材『セルローズファイバー』や塗料『チャフウォール』といった素材を採用することで、本気で団地住まいを快適にしたいと思っていることも伝わりました。

撮影用に置かれた備品はご本人の私物。当時船便で持ち帰った1970年代の家具、渡航の度に買い足した食器や雑貨は、数十年経った今もどんどん生活に馴染んできていて嬉しいと話をしてくれました。

 

こちらの物件は大阪R不動産にて販売中です。
『今こそ、ニュータウン。』

テキスト:豊田

関連する事例記事

戦前の長屋をリノベーション。小商いもできる賃貸住宅に
戦前の長屋をリノベーション。小商いもできる賃貸住宅に
京都・東山の観光地に建つ戦前の長屋。オーナーの代替わりを機に、「住む」だけでなく、「店舗」や「アトリエ」としても活用できる場へと生まれ変わりました。
ピアノを暮らしの真ん中に。50㎡にリズムと広がりを生む“斜め”レイアウト
ピアノを暮らしの真ん中に。50㎡にリズムと広がりを生む“斜め”レイアウト
ご夫婦にとってピアノは、特別なモノではなく、いつもそばにいる家族のような存在。 そんなピアノを、限られたスペースの中で他の要素とバランスをとりながら、日常に自然に溶け込むように取り入れた事例です。
“ラグジュアリーな内装”を間取りも設備もそのまま、自分たちらしい“ナチュラルな空間”に
“ラグジュアリーな内装”を間取りも設備もそのまま、自分たちらしい“ナチュラルな空間”に
今回ご紹介するのは、「リノベーション済み物件」をさらに自分たちらしくアップデートしたマンションリノベーションの事例です。キッチン、お風呂、トイレはそのまま、既存の下地も活かしながら、自分たち好みに色や素材をプラスしていきました。
賃貸物件を自分たち仕様に。10年かけてじっくり育てた家
賃貸物件を自分たち仕様に。10年かけてじっくり育てた家
「家族は毎日成長するから、家も毎日変化する」そんな言葉を体現されているお客様の家づくり。賃貸物件に暮らしながら10年かけて少しづつ改装した様子をお届けします。