とりあえず路線便プラスって何?という感じですが、敢えて高らかに宣言させていただきます。
配送形態に大物に特化した「路線便プラス」が誕生しました!

これによりtoolbox倉庫から発送されるフローリング類の配送ケース上限がなくなり、配送日時指定や重量物の屋内搬入などオプションの選択が可能になったため、利便性が格段にアップします。

このコラムでは、サービス誕生までの裏側と「路線便プラス」によりできるようになったことをご案内します。

まずは、大物配送に伴う問題諸々のおさらいです。

ECの成長やそれに伴うサービスで貨物量が急増。ドライバー不足や物流業界の労働環境に伴う配送問題が発端となり、2017年におきた「配送クライシス」。

toolboxに影響がではじめたのは2019年の春でした。

大物商品の配送制限がとても厳しくなり、toolbox倉庫から発送されるフローリングの配送について、お届け先の種別や商品サイズにもよりますが、個人宅宛や現場宛だと1度に運べるケース数が13ケース程度に制限される状態となってしまったのです。また、新しい商品の開発や取り扱いを検討する際にも、大型商品だと「このサイズだと運べないしなぁ……」と諦めざるを得ない状況に。

試行錯誤の末に2022年の春には東京23区限定で「エリアチャーター便」という運送サービスの運用をスタート(その時の様子はこちら)。

これにより、toolbox倉庫から発送のフローリングについてはスピーディーかつ大量にお届けできるようにはなったものの、23区以外では配送制限が残ったまま。さらに、エリアチャーター便対象地域でもフローリングとは別に配送方法自体をWEBから購入する必要があり、注文までの流れがわかりにくいという問題も。

大型商品の配送について解消できた問題は少なく、依然として頭を悩ませていました。問題を解決すべく方々に当たってはみたものの、砕け散るばかり。

悶々とした日々を過ごしていた時、先日toolboxで販売開始した「オーダーレンジフード」が突破口となりました。

最大オーダー可能サイズ幅1200mm、高さ900mm、重さは40kgを超える商品ですが、オーダーレンジフード開発のパートナーK氏が建材に特化した配送会社を紹介してくれたのです。

配送会社とのファーストコンタクトと運用開始まで

ドキドキしながらコンタクトを取った2022年7月、夏真っ盛りの8月に先方オフィスで打ち合わせをすることに。
(余談ですが、K氏が教えてくれたのは配送会社の代表取締役社長直通のお電話番号でした。急に直電していいものか悩んだ記憶があります……)

お察しの通り、toolboxの社員は比較的カジュアルです。

髪の毛がもじゃもじゃの大物商品開発担当、夏服はノースリーブしか持っていない運用担当、髪の毛が半分赤いシステム担当、当時toolboxに転職して1週間の人(現物流窓口兼仕組み化担当)の4人組が可能な限りキレイな格好をして伺ったところ、迎えてくれたのはスーツ姿の男性2名。

少し緊張しつつも諸々の問題を説明、とにかく困ってるアピールをしたところ、あっさりと「大丈夫です、全部解決できますよ」と……。

今まで散々砕け散ってきた経験から「大丈夫です」が正直全然信じられず、帰り道はちょっとだけニヤつきつつも「あんまり期待しすぎないようにしようね〜」なんて話しながら歩きました。

それから諸々やりとりをしているうちに、「本当に問題が解決しちゃうぞ!」となった訳ですが、システム・運用の問題は山積み。配送テストや倉庫、配送会社との調整を繰り返すこと早10ヶ月。(諸々省略していますが、この間は大変でした……)

初めての配送テストは大分まで。最大サイズ幅1200mm、高さ900mm、重さは40kgを超えることもあるオーダーレンジフードを受け取り。

この度、ようやくサービスを開始します!

路線便プラスでできるようになったこと

前置きが長くなってしまいましたが、路線便プラスでできるようになったことをご案内!

  1. フローリングの配送可能ケース数の上限撤廃
    toolboxはまだまだ小さな会社です。大物商品の販売を始めてからもまだ日が短く、各配送会社との取引期間も短く、思うような取引条件が結べないことも。そのため、今までは1日にお届けできるフローリングのケース数に制限があり、現場宛だと13〜15ケースが上限となっており、23㎡分程度しか一度にお届けできませんでした。上限を超えるご注文の場合、数日に渡って分納になってしまい、お受け取りのお手間をおかけしていました。
    今回の路線便プラスに変更することにより、大量のフローリングもまとめて1便でお届けすることが可能になりました。
  2. 事前にお届け日をご案内します
    通常の路線便ではお届け日のご案内ができませんでしたが、路線便プラスは事前にお届け日のご案内を致します。また、ご注文の際に事前にご指定いただくことも可能です。
  3. 2時間単位での時間指定も可能
    通常の路線便は時間指定不可ですが、路線便プラスではオプション(別料金)で2時間単位での時間指定もできます!時間枠は、9〜11時 / 11〜13時 / 13〜15時の3枠をご用意しています。
  4. 玄関先までお届けします
    通常の路線便は車上渡し(軒先渡し)が基本ですが、路線便プラスは玄関先まで商品をお持ちします。オプション(別料金)を追加していただくことにより、屋内搬入も承ることが可能です。
  5. 置き配・キーボックス対応も可能
    不在時にも嬉しい置き配やキーボックスの対応も可能になりました!
    置き配は、玄関前やエントランス付近、建物内受付/管理人の指定場所など、ご注文時に置き場所も指定できます。キーボックス対応は玄関を開けてすぐの場所に置かせていただきます。
    ※ 商品の重量や数量によってオプション(別料金)の追加が必要です。
  • 上記2,3,4,5はご注文時のオーダー画面にて詳細の確認、またご指定が可能です。
  • 対象商品を通常通りご注文いただくだけで路線便プラスが適用されます。

一方で、少し注意が必要なことも。

  1. 配送番号がないため、追跡サービスをご利用いただけません。事前にメールで配送日をお知らせしますので、受け取りのご準備をお願いいたします。
  2. 配送にかかる日数が変わります。建材に特化した物流のため、一部地域は今までよりお届けまでにお時間をいただく場合があります。最短指定可能日を商品ページで確認し、余裕をもってご注文ください。
  3. 再配達はできません。指定もしくは事前にお知らせした日程での受け取り準備をお願いいたします。もしご不在で再配達となった場合、再度送料がかかりますのでご注意ください。

物流会社と倉庫視察。今後の展開についても相談。

物流についてのこれから

ひとまず長年の課題であったtoolbox倉庫から発送される大物商品についての物流問題が改善しましたが、2024年には国土交通省が推進する「働き方改革関連法」によるホワイト物流化により、これからも配送や物流に関する問題が増えてくることと思います。

また、ドライバー不足や物流業界の労働環境を改善していくのはECである我々も協力し改善すべきだと考えています。

一方で、建材を販売するECとして、大型商品を効率よくお届けできる体制を整えるのは当然のことですし、新たなチャレンジとして発送元が異なり今は別配送になっているキッチンのコンロやレンジフードをまとめて1便でお届けできるような仕組みも作っていきたい。

サイズオーダーの大型商品で送料が別途見積もりになっているが故に送料のご案内やご請求にお時間をいただいている状況を改善し、スムーズにご注文できる状態にしたい。

チャレンジしたいこと、改善したいことはまだまだ山積みです。

 

時間はかかるかもしれませんが、パートナーの配送会社の助けを借りつつ、これからも地道に対策と改善を続けていきますので、ぜひご期待ください!

配送会社のH氏、いつもtoolboxを支えてくださっている倉庫の皆さん、toolboxの物流改革チーム。

テキスト:nakatsukasa