この一年で急にオーディオにハマって自作スピーカーまでつくり出した、グループ会社、東京R不動産の三箇山です。
vol.1では、自分がオーディオに興味を持ち、リビングのインテリアに合う理想のオーディオ探しをする中で、オーディオの師匠に出会うまでを書きました。
師匠の教えは、簡単に言ってしまうと、高い機材を買えばいいということでなく、各機材がいい音を鳴らすための“技術”というものが存在するというもの。そして、それはすごく難しい技術だけでなく、素人工作レベルでも出来る、オーディオカスタムDIYの世界があるということでした。
このvol.2では、まずは、その初歩的ノウハウを、だだだっとご紹介します。
と言っても、これら全て1年前の自分は知らなかったことです。
ここからは一気にマニアック度合いが増しますが、実際にツールボックス工事班でリノベーションしたオーディオ好きなお客さんの家でも、自分がカスタマイズをさせてもらって、その効果は実証済みなので、信じて読み進めてみてくれると嬉しいです。
音を鳴らすうえで気をつけるべきは「振動」と「電気」
僕たちがスピーカーをうまく鳴らすために戦うべき?は「振動」と「電気」です。
他にも色々要素があるし、「振動」と「電気」も細かく細分化されているので一概に言えないのですが、いったんこれを気にするんだ!と気を付けておくと良いです。
まず「振動」に関して。
これはすごくアンニュイな状況なのですが、音は振動(波)なので、それを発生させるスピーカーは当然揺れます。(厳密にはスピーカーユニットが最初に揺れて、その振動がスピーカーのエンクロージャー、要は箱の部分を揺らしています。)
ただ、このスピーカーの箱の振動がスピーカーユニット自体の音を濁らせる原因を作ってしまうんです。
で、どうするか?
スピーカーの箱の揺れをなるべく早く収束させなければいけません。振動を収束させる方法は大きく分けて3つかなと思っています。
①重くして振動させない
②振動の抽出
③振動の拡散
なんとなく①と③は想像つきますよね?①は、スピーカー自体の重さ・材質、それを支える床や棚の重さ・材質は重くて硬い方がいいという話。③はマンションとかの制振構造みたいなやつです。ゴムとか挟んじゃうやつ。
で、②の抽出とは何か?
これはスピーカーの箱の揺れを別のモノに移しちゃう、というやつです。ロート(漏斗)を思い浮かべると分かりやすいのですが、広い口で受けたものを、細い出口に集めて流していく。一度大きな面で振動を受けて、先端の一点に集めて床へ逃がしていくということです。
振動は水のように勝手に流れていくわけではないのですが、こうやって“流れやすい方向”をつくってあげると、床側へ抜けやすくなり、逆には返ってきづらくなる。そうやって、箱の中に振動を溜めないようにするわけです。
理屈で説明されてもよくわからないと思うので、じゃあ何するか?さっそく実空間の写真とセットで解説していきます。
その1 重くして振動させない:スピーカーを置く硬い土台を用意
普通、スピーカーって何かの上に置きますよね。その「何か」を重くて硬いものにしてください。例えば厚い木材とか大理石とか、とにかく丈夫なものを用意するのがポイント。もっともっとこだわっていくと、写真の下の棚部分が軽いよね。反響するよね。とか大理石より固い木材の方が音が適度に吸音されてよいよね、とかあります。でもいったんは「硬いもの!」で良いと思います。
その2 振動の抽出:スピーカー底面にスパイクを取り付ける
硬いものをスピーカーの下に敷いた後は、振動を抽出するために、スピーカー自体に「スパイク」を取り付けます。
「スパイク」は、サッカーシューズの底にあるのと同じような、先が尖ったやつです。
師匠は「軽いスピーカーなら画鋲でも良いよ」って言ってました。両面テープで固定しましょう。
スピーカーにスパイク(画鋲)を取り付ける位置は、よっぽど大きいスピーカーじゃない限りは3点が良いです。安定するので。高さ調節がいらない。だいたいはスピーカーユニットの真下1点(そこが一番揺れるから)、後方2点です。
で、それを貼る位置ですが、スピーカー裏面を何でもよいので固いものでコツコツ叩いていってみてください。
音が高い音に変わる場所があるので、そこに貼ります。多分、思っているよりずっと内側です。
コツコツしているときに高い音が鳴る
↓
そこが中が空洞、反響しやすい・揺れやすい場所
↓
そこから振動を抽出するのが効果的
という理屈です。
その3 振動の拡散:ピンから伝わる振動を逃がす
最後は、ピン先から抽出された振動をどう拡散させるかです。床の方にスエードとかを敷いて、その上に板を置く。その真上にスピーカーの下につけたスパイク(もしくは画鋲)を、板に刺さるように置きます。
もっと大きい、もっと揺れるスピーカーを使っている人は、それに応じて受ける木材も大きくしてあげると良いです。
これで、①重くして揺らさない②振動の抽出(スパイク通して振動逃がす)③振動の拡散の対応がいったん完成です。大きい音を出すと分かりやすいのでやってみてください。多分、全然違うから。
これ、大事なのは、全部を、何らかの方法でやるということです!
というのも、②だけやってちょっとよくなったけどあんまり変わらないなあ⋯⋯みたいなことは普通にあるんです。というか自分がそうでした。
あくまで戦っているのは「振動」で、それを収束させるためにはどんな手段で望むか?というときに、それに効く方法は全部やった方が良いんです。それぞれ役割が違うから。この総合点勝負みたいな話は今後もたくさん出てきます。
10万だして、スピーカーを替えるか、カスタム費に使うか
オーディオを勉強していて良く思うのですが、例えば1万円のスピーカーを持っていて、それを10万円のスピーカーに変えても、体感できる変化の幅が思ったより少ないんですよね。
それよりもその10万円を電気や振動や他にも色々あるのですが、その対策に使った方が全然効果が出やすいです。費用対効果高い。多分、下図のような状況になっていて、中心面積がどのくらいでかいか?がそのオーディオが良くなるか?の指標なんだろうな、と思っています。
今回はスピーカーを置き方をカスタムしてみる編でした。次回 vol.3は電気編に移っていきます。お楽しみに。
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語り手はこの人
三箇山 泰
1978年生まれ。東京R不動産立ち上げメンバー。泊まれる公園「INN THE PARK 沼津」の企画プロデュースを行ったり。個人としては、ドーナツ屋の社長でもある。目をつけたものは、恐ろしいスピードと深度でのめり込む傾向あり。