「あれ、ここはカフェ?」
思わずそんな声が出てしまったビルの1階。
でも実はここ、大阪のリノベ会社・アートアンドクラフトの新オフィスなんです。

写真中央に写るグレーのビルが、アートアンドクラフトの新オフィス。

長年の拠点から引っ越して、天満橋駅から徒歩7分の5階建のビル一棟をまるっとリノベしたと聞き、「これは見に行きたい!」とワクワクしながらお邪魔してきました。

案内してくれたのは、アートアンドクラフトでコーディネータを務めるお二人。笑顔がチャーミングな廣川さん(左)と物腰やわらかな田端さん(右)。

まず出迎えてくれるのは、街と人が交差する“シェアキッチン”

建物に入った瞬間、目を奪われるのは、空間の真ん中にどーんと佇む銅板仕上げのキッチン。存在感がすごい!

ここ、街に開かれた“シェアスペース”なんです。

「飲食店をやってみたい」「POPUPを開きたい」「スタッフの副業だってOK」

みんなの「やってみたい」を受け止める場所をつくりたい。そんな思いから生まれたスペースなのだとか。

名前は『MAU(マウ)』。
“暮らしと街のあいだを舞う”という意味が込められているそう。

「街の人がふらっと入ってくるのを迎えるのがたまらない」と、このカウンターの中が一番のお気に入りという根っからの接客好きの田端さん。

キッチンの設備は飲食店レベルで、30食分のランチを提供できちゃうほどのガチ仕様。

最近は、自家製塩麹のラーメンやグルテンフリーのやさしいランチなど、1日限定のお店がオープン。12月中旬には2日間に渡ってさまざまな飲食店や雑貨はもちろん、ワークショップまで勢ぞろいしたマルシェも開催予定だそう。

イベントがない日には、スタッフが交代でカフェをオープン。ふらっと寄ってコーヒー片手にスタッフとおしゃべりできる気軽さが、なんともいい雰囲気です。

棚にはスタッフおすすめの本がずらり。コーヒーを片手にぱらぱら眺めるのも楽しそう。

表の扉は常に全開。なので、通りすがりの人が「ここ何だろう?」と入ってくることも多いそう。
この、街と地続きにつながっている感じが、なんだかすごく良かったです。

 

空間を彩る素材もユニーク。キッチンの天井にはスレート波板が使われていたり。

色々な人との出会いを重ね育っていくMAUの姿を重ねて、腰壁は経年変化が豊かな「銅」に。

この天板はなんと漁業用ブイの再利用!背景やストーリーを知ると、思わずワクワクしてきます。

2階のオフィスにも建築好きやレトロ好きの心をくすぐる小ネタ満載

階段を上がると、鮮やかなグリーンが映える受付カウンターがお出迎え。丸みのあるフォルムがなんとも愛らしく、深いグリーンのシートに木の壁が、どこか阪急電鉄のレトロな雰囲気を思わせます。

ピンときた人いるかも?このキッチン、実はル・コルビュジェの「サヴォア邸」を意識したもの。白タイルをMIX貼りした天板に、出隅タイルで小口まで丁寧に。

腰壁に使っているアルミ板は、なんとスタッフ自ら磨いてヴァイブレーション加工にしたもの。わざわざ自分たちで磨いちゃうあたりが、なんとも彼ららしい。

「え、これどうなってるの?」とつい見入っちゃった水栓。壁付け水栓を立ち上げて設置するというユニークな納まり。

「どこにいる?」が一目でわかるマグネットボード。今どきあえてのアナログが逆にいい感じ。

「今日はどこで仕事する?」その日の気分で選べる3階のワークスポット

立ったまま、座って、小上がりでのんびり…など、カラーだけでなくスタイルも三者三様のブースたち。

3階に上がると、黄・青・黒のカラーでゆるくゾーニングされた打ち合わせスペースが。ここ、カラフルで見ているだけでもワクワク、思わずテンション上がっちゃいます!

まるで小さなカフェギャラリーみたいで、お客様との打ち合わせはもちろん、スタッフもひとりで集中したいときはここで仕事をしているそう。その日の気分や用途に合わせて、自分にぴったりの場所を選べるのが楽しい。

お子様連れにも安心の小上がり席の奥には、おもちゃがずらり。ダイヤル式の電話が懐かしい……。

「お任せで依頼したら、うちと先方の頭文字を組み合わせたデザインで届いたんです(笑)」という可愛いプッシュスイッチ。

打ち合わせブースの奥には素材サンプルコーナーが。じっくり選んでもらえるように、あえてカーペット敷の小上がりに。

どんな人が働いてるの?スタッフに突撃インタビュー

オフィス空間を紹介をしてきましたが、働く人たちのことだって気になりますよね?そこで案内してくれたお二人に突撃インタビューをしてみました。

ー まずは、お二人のことを教えてください。趣味や、好きなことって何ですか?
田端さん

旅をするのが大好きで、ひとり旅をよくします。知らない土地にいくワクワク感がたまらなくて。
あとは、ランニングも趣味で、最近は毎朝5キロ走るのを日課にしたら体調も絶好調で。オススメです。
公園で朝活仲間もできました。みんなおじいちゃんですけど(笑)

廣川さん

私は山登りですね。正確には、山小屋の建築が好きなのかも。

と笑いながら見せてくれたのは、“日本最後の秘境”と呼ばれる『雲ノ平山荘』の写真。1日じゃ辿り着けず、行くなら3日かかるのだとか。パワフルさとともに、建物愛を感じました。

ー 仕事をしていて、やっててよかったな〜って思うのは、どんなとき?

その問いにふと返ってきた言葉が、とても印象的でした。

田端さん

家づくりって、旅みたいだと思うんです。
小さな“行ってみたい”から始まって、迷ったり寄り道したりしながら、自分だけの目的地を見つける。その旅を一緒に歩けるのが、この仕事の面白さ。

お客さまにとったらたった一度きりの旅かもしれない。そう思うと毎度背筋がのびるのだそう。

ー アートアンドクラフトの家づくりを一言で表すと?
廣川さん

「おおらかさ」ですね。素材のクセや古い建物の味わい、あとは住まい手のこだわりも、まずは「いいやん」って受け止めるんです。例えば「倉庫みたいな大空間で暮らしたい」とか「レトロなビルに住んでみたい」とか、個性的な要望もそうですね。

その上で住まい手の希望がちゃんと“暮らしの形”として成立するように、これまでの経験やさまざまな建物ストックをもとに現場ごとに柔軟に調整。ひとつずつ想いを形にしていくんだとか。

なるほど。“らしさ”を大事にするおおらかな姿勢とそれを支える豊富な不動産や建築の知識が、アートアンドクラフトらしさなんだな、と納得。

インタビューをさせてもらった4階は、80平米のマンションを想定した“リアルサイズ”のショールーム。「社内の飲み会終わりに、あのベッドルームで寝ちゃったこともあるんです(笑)」お茶目なエピソードを交えながら丁寧に案内してくれる廣川さん。

取材を終えて。ここは“やってみたい”が連鎖するオフィス

アートアンドクラフトさんのオフィスは、ふしぎとワクワクが続く場所でした。
街に開かれたキッチンも、自由に選べるワークスペースも、素材や人のこだわりも、ぜんぶ「そのままでいい」と肯定してくれる空気感。

ここにいると、なんだか「自分も何かやってみよう!」と思えてくる。そんな前向きな気持ちにさせてくれる、素敵なオフィスでした。

シェアスペース『MAU』のイベントは、下のInstagramで随時チェックできます。
気になる方は、ふらっとのぞいてみてくださいね◎

まだまだある!アートアンドクラフトオフィスの魅力ポイント

たくさんのグリーンで彩られたエントランスが、心地よい癒しを演出。

エントランス手前に設けられた造作ベンチでほっと一息。

階段の手摺りは、ペーパーコードを巻いてイメージチェンジ。

可愛いがぎゅっと詰まった2階のトイレもぜひ見てほしい。

タイルの花柄が可愛い、授乳・おむつ替え用ベンチも完備。

アクリル板でエッジがキラリと光る3階のデスク天板。ナイスアイデア!

ル・コルビュジェ「ジャンヌレ邸」から着想を得た、心躍るデスク。

4階ショールームのキッチンを支える柱も、タイル貼りで存在感◎

暮らしと街の間「MAU」

毎日ちがう、なにかに出会える場所。

住所:大阪市北区天満2-6-20 1F
最寄り:メトロ 谷町線「天満橋」駅 徒歩 7 分/JR 東西線「大阪天満宮」駅 徒歩 10 分

今回ご紹介したプロはこちら

会社名   株式会社アートアンドクラフト
所在地   大阪府大阪市北区天満2丁目6-20(MAP
創業    1994年
サービス概要
住宅・店舗・オフィスのリノベーション設計・施工/ビル・アパートの再生コンサルティング/不動産仲介・販売/住宅ローン相談/リーシング/宿泊施設の運営
対応エリア 大阪、兵庫、沖縄

(※この記事は2025年12月5日時点の情報です)

株式会社アートアンドクラフト

株式会社アートアンドクラフト

建築設計/施工/不動産仲介/建物再生コンサルティングのプロ集団です。
大阪・神戸・沖縄を拠点に、マンション1室からビル1棟まで既存建物の再生を得意としています。

大阪R不動産も運営しているtoolboxのグループ会社です。