気がつけば、2025年も11月半ば。すっかり冬の気配です。大変お待たせいたしました。2025−2026年版の最新カタログが完成しました。
毎年変わる表紙のテーマを含め、最新カタログに込めた思いをお伝えさせていただきます。
表紙のテーマは、「妄想の家ナイト」から。今年は、どんな思いが多かった?
妄想の家のイラストを表紙にしたカタログをつくりだして、今年で7年目。表紙づくりのスタートは、スタッフほぼ全員参加の「妄想の家ナイト」からはじまります。
毎年、事前に「自分が住みたいと思う家」を妄想してきてもらい、一人一人発表していく社内の一大イベント。世の中に対する課題や不満をユニークに解決するという視点をもって発表してもらいます。
自分の家の妄想フェーズが終わって、誰かのための家を考えてくるスタッフも多かった印象です。
発表時間は一人2分30秒。イラストで表現するもよし、イメージ写真で伝えるもよし。スタッフも増え、40名強が参加。お酒を飲みながら、3時間に渡る妄想プレゼン大会が繰り広げられました。
デザイナー採用ではないのに、すごく絵が上手い!この人、シュールな世界観だわーなど、普段の業務中には見れない、スタッフの隠れた才能、人柄を知ることができるのも、この会の楽しみの一つ。
当日は、みんなから出た案を近いテーマごとに分けていき、PRチームで総括するところまでで終了です。さあ、今年はどんな気分が多かったのでしょう。
今年、ものすごく印象的だったのは、家の寿命に対する「時間軸」の考え方。昔はそれこそ、孫の代まで残るような……なんて、家=長く所有する、強固な建物であること前提で考えるのが当たり前の世界。それはもちろん、いまでも当たり前にある考えではあるのですが……
今年の気分を代表するように印象的だったこの案は、「自分の寿命とともに、自然に朽ちて土に還る家」。資産性とか、将来的に残す、親から子に受け継ぐとかを考えずに、自分の人生とともに朽ちていき、最後は自然に還る。それくらいでいいという考え方。
自分と家との関係性を見つめ直して、もっと気軽に家を考えたい。家は、最初からつくりこまず、自身の変化に合わせて、アップデートしていきたい。どんな家に住むかというハード面を考えることに重きを置くよりも、誰と住むか、自分には何があればいいのかを考えている人が多いのが印象的な年でした。
背景には、引き取り手のない実家相続問題があったり、空き家問題があったり。昭和の時代から積み上げられてきて、もう自分たち現役世代ではどうにも処理しきれない建物が、物が、ハードとしてたっぷり残っている現状への漠然とした不安があるようにも感じました。
そんな思いをどう表現していこう。さぁ、ここからがPRチームの表紙づくり本番です。
時間軸をあらわすモチーフって?
妄想する脳みそからはじまり、今年で7冊目。毎年、その年の思いをどんなモチーフで表現するかを考えるのが、楽しくもあり、生みの苦しみでもある時間。
しかも、今年表現したいのは、時間軸の変化。動画でもなく、二次元の世界でそれをどう表現するのがいいのか……
悩んで、思いついたのが、昨年、ゼロからのスタートとして、未来の息吹を表現した砂漠を舞台に、その先の世界を描くことでした。
雪が降り積った後に広がる、一面の銀世界。あのはかない、溶けたらなくなってしまう。けれど、とても美しい世界を、独特のユーモアとともに、舞木和哉さんに描いてもらいました。
じっくり見ていただくと、過去の表紙モチーフのオマージュや、砂漠の世界にあったあれが……なんて、変化を読み取っていただけます。
とはいえ、カタログは1年ごとの更新。これ、冬のシーズンはいいけど、春が来たらどうするの?って、ちょっと頭がよぎったあなた!ふふふ、さて、どうなりますやら。お楽しみに!
今年も撮り下ろし!前半の妄想を実現した事例たち
中身の紹介にまいりましょう。
カタログ前半は、妄想を実現した人の家づくりを3件ご紹介。
今年も妄想がユニークな、素敵なお家を訪問してきました。どんな妄想を元にこの空間が生まれたのか。事例写真を見るだけでは分からない思いを、じっくり聞かせてもらいました。
その家の面白さをぐっと引き出す写真を撮ってくれるのは、カメラマンの兼下昌典さんです。
まずは、あえて説明なしで事例写真をそれぞれ見ていただき、そのあとに現れるピンク色の見開きページでは、住まい手がどんな妄想を実現させていったのかを、舞木さんのイラストともに解説する。そんな構成になっています。
家づくり中は、いろいろと妄想が浮かぶ中、最終的にどんな思いを実現させるかは、本当にその人次第。写真ページと解説をいったりきたりしながら、お楽しみください。
ものづくりの現場は、今年もアツかった!
事例ページの後は、私たちtoolboxのものづくりへの思いをお伝えするページ。毎年、日本各地にある、ものづくりのパートナーの工場を訪問し、撮影させてもらっています。
今年はシンプルなカタチなのに、素材がそれぞれ異なる『ソケットランプ』『ソケットランプ METAL』の2素材の工場と、4月に発売した新商品『プライウッド洗面台』の工場を訪れました。
毎年のことながら、出来上がったおすまし顔の商品たちからは想像もつかないような、手間のかかる製造過程を垣間見れ、職人さんたちとお話できるのが何より楽しい時間なのです。
紙面で伝え切れない思いは、「モノづくりの現場から」のコラムでお伝えしていきますので、お楽しみに。
新商品も続々と。厳選アイテムを並べた商品カタログページ
商品ページは、226シリーズ、約1000点を掲載。全ての商品は載せ切れないものの、見せ方などを工夫して、なるべく多くの売れ筋商品を掲載しています。
最初のINDEXぺージでは、今回新たに追加されたものを探しやすいよう、左ページにNEW ITEMがまとめられています。今年も新商品がたくさん追加されました。
一気につくるのではない、「After Reform」という選択肢
色々なアイテムを見ていただいたページの後半には、「After Reform」という見開きイラストページがあります。一気につくらなくてもいい。余白を残して、住みながら、家族の成長とともに、家に手を加えていくという選択肢があってもいいのでは?という思いを伝えるために、つくったこのコーナー。
この一年、写真を送っていただく事例の中でも、住み替えでなく、今住んでいるおうちをアップデートする「After Reform」の取り組みが本当に増えたと実感しています。
予算に合わせて色々諦めていくと、楽しいはずの家づくりに悲しい気持ちが増してしまう。それなら、一気につくり込まずあとから手を加えていくという「After Reform」という家づくりの手段もあると知っていて欲しいのです。
ショールームを訪れるお客様の中には、カタログを付箋だらけにして、実物確認に来てくれる方がいらっしゃいます。電子カタログも便利ですが、やはり色々な商品を見比べながら、妄想を膨らませていけるのが、紙カタログのよさ。
事例写真も多数掲載していますので、設計の方や、工務店さんと一緒に眺めながら、こういうテイストは好き。こういうのは好きじゃない。なんて、思いを共有するのにも便利だと思います。
家づくりの楽しさを体感していただくお供として、ぜひ一家に一冊。無料でお配りしていますので、ご請求お待ちしています!
カタログ請求
https://www.r-toolbox.jp/catalog/
東京・目白と大阪・中津にあるショールームでも無料配布しております。
表紙のイラスト:Kazuya Mougi
事例撮影:Masanori Kaneshita
カタログデザイン:Daisuke Kano, Erisa Yamashiro, Yuma Wada,
おまけ プロモーション撮影の裏側
毎年、カタログの第一弾がオフィスに届くと同時に行うのが、カタログ請求ページの撮影です。
今年は、やっぱり雪の世界観!氷のはかないキレイさを伝えるためには、「ソケットランプ」のガラスはマストね!などなど、ショールームから小物を借りてきて、撮影大会がスタート。
完成した様子は、このコラムのトップ写真及び、カタログ請求ページをご覧ください。この後、総勢5人で、小物たちをちょっとずつ動かして、SNS用のコマ撮り撮影も。どんな動画が出来るのか、お楽しみに!