毎日のご飯づくりに、料理しやすいよう、ツールの置き場所や収納量、作業導線を意識してつくられるキッチン。
もちろんそれらもとっても大事なことですが、最近では「キッチン=料理の場」という枠組みにとらわれない、柔軟なキッチンの在り方を目にする機会が増えてきました。
暮らしの中で「どんな過ごし方をしたいか?」を深く考えてみると、キッチンの可能性はもっと広がっていきます。家の顔・暮らしの中心とも言えるくらい大切な場所。過ごし方を広げてくれるキッチンレイアウトや間取りのつくり方をユニークなアイデアと共にお届けします。
リビング学習やリモートワークを快適に!キッチン+デスクの可能性。
子供のリビング学習の場として、キッチンの近くにデスクをつくれば、会話をしたりコミュニケーションの時間が増える。また、ワークデスクにすれば会議の合間にコーヒーをいれたり、夕食の下準備をしたりと時間を効率的に使うこともできるかも。
近くにあると何かとメリットの多いキッチンとデスク。配置の工夫や、一体感のある素材の選び方に注目です!
case1 天板をぐーんと伸ばしてカウンターデスクに!小上がりの様子を見守りながら料理に集中
キッチン横に小上がりリビングを配置したお家。カウンターと上部の棚を伸ばしてデスクスペースとして使っています。お互いを近くに感じながらも、個々の作業に集中できるレイアウトです。
素材を揃えることで一体感のある見た目に。デスク天板のブラケットまで木でつくられ、家具のような雰囲気です。
キッチンから小上がり越しに見える窓外のテラスは「緑を近くに感じられるように」と、小上がりの高さに植栽を揃えたそう。壁付けキッチンでも視界の広がりが感じられるアイデアです。
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case2 LDKの拠点となる、大きなテーブル兼キッチン
サイズオーダーできるテーブル脚で造作したキッチン。隣には、同じ組み合わせでつくったテーブルを並べて。「キッチン」というよりは細長いテーブルが部屋の中央に置かれているかのよう。
「油を使う料理をほとんどしない」から、レンジフードはなし。IHの配線は脚に添わせて、収納も全て背面のシェルフに。給排水管を隠すこともしない潔さが見た目の軽やかさにつながっています。
食事に仕事に、作業台にもなるテーブルはお気に入りの居場所。正面のスクリーンに映像を投影して過ごすなど、料理以外の時間も楽しめる、拠点のようなキッチンです。
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ダイニングソファのような過ごし方も叶う、キッチン+造作ベンチ。
キッチンと食事の場であるダイニングは切り離せない関係性。であれば「ダイニングベンチまで一体につくってしまう」なんて手もありかもしれません。お部屋の中で占める面積が増えるからこそ、好きな見た目であることに細部までこだわった事例をご紹介します。
case1 北欧家具のような佇まい。暮らしの背景になるキッチンと造作ベンチ
約50㎡のマンションリノベーション。リビングの広さを確保するため、キッチンは壁付けで、空間の幅いっぱいに伸ばし、片側をダイニングベンチとして造作。
壁一面に貼った白タイルと共に空間に水平のラインをつくり出し、視界に広がりをもたらしています。
キッチンは天板の厚みや角のアール、キャビネット部分の扉の割り付けなど、家具としての美しさも重視したつくりに。ベージュのモールテックスで仕上げた床と合わさって、丁寧にデザインされた北欧家具のような佇まいです。
キッチンに立つ人とダイニングで作業をする人の関係性も、地続きにしてくれそうなキッチンです。
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case2 長さ5.2mのモルタルキッチン!多肉植物プランターとベンチで憩う“公園”のような一角に
「猫が自由に行き来できるように」と、リビングダイニングを一体にしたワンルームのような間取り。
モルタル左官で仕上げたキッチンはなんと長さ5.2m!壊せない構造体の柱も一体にして、ダイナミックなキッチンにしています。
長さを活かしてベンチも一体に。脚元にはさりげなくコンセントを備え付けにしているので、デスクワークにも最適です。そしてベンチの一角には、多肉植物たちの寄せ植えが!鉢植えを置くのではなく埋め込んでしまう発想が新鮮です。
人が集まった時には、ここを中心に好きな場所に腰掛けて憩う。そんな使い方の似合うキッチンです。
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キッチン+DJブース!?趣味と溶け合うハッピーなキッチン
キッチンに集めておきたいものは調理道具だけとは限りません!CDやレコード・植物に本など、趣味を楽しむコーナーと一緒にすれば、毎日の生活の中に好きな時間が増えるはず。
汚れから守る配置や収納の仕方、キッチンとの自然な繋がりのつくり方など、共存するための工夫を見ていると「カウンター下にコレクションを並べてもいいな」「ファミリーライブラリーもありかも」なんて楽しい想像が広がります。
case1 キッチン → レコードコーナー → サンルームへと、緩やかに切り替わる
キッチンから趣味のレコードを楽しむスペース、そしてガラス引き戸で仕切られたサンルームへと横一列に並んだお家。
レコードの収納場所は、カウンターの下、キッチンと同じ白いキャビネットでつくられています。油はねの気になるコンロからは離しながらキッチンと付かず離れずの絶妙な距離感です。
壁面は一面モルタル仕上げにして、ガラス引き戸越しに奥へと繋がっていく感覚に。扉を開け放つとひと続きになりますが、床やキャビネットの色味を変えることで、雰囲気を切り替えています。
それぞれの境界をきっちり分けることなく曖昧に繋げることで、そこで過ごす時間や使い方を許容しあうような居場所をつくりだしています。
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case2 まるでお店のような面構え。ディスプレイ&DJブースなカウンター
リビング・ダイニングに対して開くように、斜めに配置されたキッチン。
手元が隠れる高さに腰壁を伸ばし『クラシックリブパネル』で装飾。ナラの無垢材で仕上げた笠木部分は広く取り、植物やお気に入りのオブジェを飾るスペースとしても使えるように。
左官仕上げの天板に、アクセサリーのような真鍮色の水栓を合わせたり、冷蔵庫やレンジフードを見えにくい位置に設置したり。“キッチンらしさ”を見せないことで、店舗のような見た目に仕上げています。
背面の棚には、CDを並ベて。お気に入りの音楽をフロア全体に流しながら料理を振る舞ったり、お酒を飲んだり。そんな楽しい時間を想像させてくれるキッチンです。
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