大海原を探索する

選択肢の幅が広がっていろんな建材やパーツ、空間の在り方が選べるようになったことでマイホームは自由を手に入れたかのように感じます。実際に居心地が良さそうな家が日々、たくさん生まれていると思います。

でも肝心のマイホームの「つくり方」は、今でも限られたスケジュールや予算などによって窮屈なまま進行することがあるのも事実。好みや暮らし方を上手に伝えられず、人任せでつくられることもあります。そうした家づくりの過程で、しだいにマイホームはマイホームでは無くなってしまうこともあります。まるで自分の体なのに服に着させられているように…。

家づくりは大変、時間もお金も有限だし、と言ってしまえばそれまでだから、何かいいやり方(サラッとした乗り越え方とか、チャーチルのようなうまい切り返しとか)が見つからないかなぁ…という想いを、気の合うメンバーとオフィスで会話するようになりました。

・たとえば〇〇風、〇〇スタイルというような“括った言葉”の外側にある、もっとパーソナルな言葉から空間がつくれたら。
・類似の空間から感じる規則性や意味合いの重なりを、類語のように「空間シソーラス」として使えるようにできないか?
・難しい使い方、組み立て方、注意事項など、内装の取っ付きにくいアレコレを身近なものとして捉えられないか?
などなど…

話を重ねるうちに、住宅にかかわらずいろんな場所から可能性を掘り下げてみて、そこから見える家づくりを探求することっておもしろそう!そう考えるようになりました。

見渡せないほどの家づくりに纏わる大海原を探索“search”して、探究“research”する。2つの言葉に“sea”が入っているから、それをアウトプットする活動を「sea編集室」と名付けました。

私たちは日々、建材をwebで販売しながら内装材の開発や、商流の開拓、アイデア提供などの活動をしています。その中でsea編集室では、従来の家づくりからちょっとだけ先の世界「半歩未来の家づくり」について編集していけたらと思っています。

大海原と書いて思い出した曲がBeirutの“The Rip Tide”。歌い出しの歌詞“And this is the house where I”も響くものがあります。

sea編集室は下記のメディアで活動しています

note
「sea編集室」:パーソナルな感覚で家づくりに向き合っている過程を綴ったエッセイや、日々生まれる小さなアイデアや工夫を紹介するコラムを中心に記事を書いています。

instagram
「snap to think」:私たちのカタログの表紙には“While Thinking”という言葉がありますが、考えながら…とか思いながら…みたいな感じで、期間を決めて家づくりをするのではなく、日々の生活の中でマイホームを“考えながら”過ごすのって妄想が広がりそう!という思いで毎年載せています。前置きが長くなりましたが、インスタグラムでは前述の内容を受け、snap to think“考えるために撮る”をテーマに一見家づくりとは遠そうなスナップでも、マイホームに繋がりそうなネタを投稿しています。

webサイト
「build to think」:sea編集室の様々な活動をまとめたページですが、こちらもカタログ表紙の“While Thinking”を受け、build to think“考えるために作る”をテーマに、実際に造ってみたプロセスを思考の流れとともに紹介しています。時にはsnap to thinkと行ったり来たりしたり、ソースになったネタ元や材料をズラッと羅列してみたり、目で追っていくと脳内でどういうふうに考えながら造ったのかを垣間見れるような内容になっています。

テキスト:石田