都市の隙間に、新しい居場所を作る

東京のど真ん中、高層ビルが立ち並ぶその隙間にあるこの場所の名は「リトルトーキョー」。


元々寿司屋だった小さな建物を改装して生まれた新しい居場所です。
ここはイベントスペースやコワーキングスペースであると同時に「もう一つの肩書きを持てる場所」をコンセプトとした、コミュニティのあり方の実験場のような空間なんです。

創設者である日本仕事百貨代表のナカムラケンタさんは言います。

「この場所を利用する人は、”市民”としてこの場所をつくること、運営していくことに参加することになります。そしてバーテンダーや陶芸家といった“もう一つの肩書き”の自分を試したりしながら、自分たちの手で、まるで小さな“まち”のように皆の居場所を作って行くのです。」

使い手が主体的に参加して空間をつくることを通して新たな自分も発見するというリトルトーキョーのコンセプトは、toolboxの考え方とも近いように思えます。

使う人みんなで考えながらつくっていった

toolboxはコミュニケーションツール

みんなで空間を考える時、各々が「〜な感じにしたい」と曖昧なイメージを思い描くことはあっても、言葉でそれを共有したり、実際に絵を描いて進めて行く事はなかなか難しいものです。
ナカムラさんはtoolboxを、材料を調達するためだけでなく、むしろコミュニケーションのツールとして上手く活用出来たと言います。

「材料やパーツを売っているサイトは沢山有るけれど、その中から何を選んでどのように使うか、素人にはなかなか分かりませんよね。toolboxでは商品の魅力や使い方を伝えているので、みんなでサイトを見てイメージを共有して想像を広げ、アイディアを出し合っていける。そうしたコミュニ ケーションツールとして活かすことができました。」

プロと素人、それぞれの役割

リトルトーキョーではtoolboxの’抗火石’と’タモ集成材’を使ってもらっています。
(抗火石は販売終了となりました)

「カウンターの腰壁に使った抗火石は新島の民宿saroのバーカウンターをイメージしました。最初は自分たちで石を積んで作ろうと思ったのですが、ここは綺麗に仕上げたかったので職人さんにお願いしました。テーブルはtoolboxでタモ集成材を買って天板にし、脚はホームセンターで材料を 買ってDIYでつくっています。元の内装の解体などは素人の自分たちがやり、不安なところは職人さんや内装屋さんにサポートしてもらっています。できることは自分たちでやり、プロに頼むべきことはプロに頼る、という考え方です。」

参考にした新島saroのバースペース(写真:下林彩子)

使い手が自分で使い方をイメージしながらつくることでこそ生まれる居心地に、熟練の技による仕上がりの美しさや確かさを、どう組み合わせていくかを考えるのも空間づくりの楽しみでしょう。

バーカウンターの抗火石は職人技を頼った

自分たちで作る事の価値

「セルフビルドをしようとすると、”ここで自分は何をするだろうか・・どのように時間を過ごすんだろうか・・”と、どんどん細かく想像を深めていくようになるんです。そして、つくっていくプロセスも自分ゴトになることによって、本当の意味で居心地の良い空間が出来るんじゃないでしょうか。人が考えて出来上がった空間を与えられて使うのに比べて愛着も深まるし、楽しんで使って行こう!という気持ちが高まるように思います。」

リトルトーキョーは今後も、関わる人たちみんなのアイディアで、時間とともに少しずつ変わり続けていきます。
人の手に馴染む素材を使って人の”手”でつくられた空間は、そうした自然な変化を受け入れながら、ますます居心地のよい場所になっていくことでしょう。

ナカムラさんたちの実験は続いて行く・・