進化した檜の湯舟
普通の家ではほとんど見かける事のなくなった檜の湯舟。実は密かに進化を遂げていました。
伝統の職人技に最新の接着技術が加わっていろいろな形が作れるようになっています。丸みを帯びたおにぎりのような三角形や角張った直方体もつくれます。巨大なおちょこのようなのも、ふわっと浮いた船のような形だってつくられています。
あこがれの温泉旅館ですらほとんど見かけることの無い、伝統的で独創的な檜の浴槽、自分の家にあったらと想像して下さい。なんて素敵なんだ!
樹齢300年のありがたみ
湯舟に使われる木は檜とヒバ(ヒバも檜の一種です)。その樹齢は300年を超えます。神社にあるご神木の様な木です。
富士山が大噴火して、暴れん坊将軍?! 徳川吉宗が権勢を振るった時代に生を受けた木なのです。日本に黒船が来た時も、龍馬が暗殺された時も、日本が戦争に明け暮れた時も、敗戦からものすごい勢いで復興した時も、ジュリアナでおねえさんたちが扇子を振っていた時も、確実に密実に年輪を刻み続けた木なのです。
ゆったりと湯につかり、木の香りに包まれて目を閉じると悠久の時をタイムトラベルできそうです。なんて贅沢なんだ!
お風呂の思い出
かく言うわたし(40歳)の祖父の家にもかつては釜のついた檜の風呂がありました。じいちゃんと脚を丸めながらわいわいとお湯に浸かったものです。いまでは何をしゃべったのかは覚えていないけれど、あのときの木の感触や湯煙越しのじいちゃんのはげ頭、風呂の窓から見えた特急あずさは鮮明に記憶に残っています。
そんなお風呂の思い出はプライスレスです。なんてね。
(担当:miyabe)