鮮やかな家具が映える深い色合い。(ロースト126)

時代を超えて愛される

完成したこのフローリングを見た時、心躍りました。

本物の素材を使い、本質を追求したシンプルなデザインは、長く使っても飽きがこず、使うほどに味わいが増していくもの。そうして時を経てきたものは、時代が移ろいでも変わらず魅力を放ち続けます。

僕らが実現したかったのは一時の表情だけでなく、「リアルヴィンテージ」になりうるフローリング。

長い時間の経過を刷り込んだような味わいを備え、使うほどにその深みが増していく。そんな、ロングライフなフローリングが出来上がりました。

コンクリート打ちっ放しの天井とも相性の良いヴィンテージ感。(ロースト189)

節が床に表情を生み出します。(ナチュラル189)

「深い味わい」を求めて

この「深い味わい」を手に入れるのは、そう簡単なことではありません。使い古された表情は、当然ではありますが本当に使い古されたものにしか存在しないからです。

だからと言って古材で手に入れようとしても、状態の良い古材との出会いは一期一会。もともとがフローリング用に加工されていないこともあり、板が反っている、板を並べた時に隙間ができる、素足では使用ができないなど扱いには注意を要し、思い切りがないとなかなか使用を踏ん切れないもの。

一方、新材でできた「古材風」や「アンティーク風」のフローリングもありますが、いかにもな加工がされすぎて、ちょうど良いバランスの床材に辿りつくのはとても大変なことでした。

アッシュグレイの幅3種をミックス貼り。

経年変化を待てない方へ

このフローリングのポイントとなるのが、「のこ目」と呼ばれるのこぎりの跡を意識したスクラッチ加工。カンナでツルツルに仕上げたお化粧済みの板ではなく、丸太から切り出されたままの荒削りの板を使い、何年も使い込まれたような表情を目指しました。また、塗装も1本1本手塗りで時間を刷り込むようにして仕上げているため、機械で施した塗装に比べてその深みは明らかに違います。

のこ目を表現したスクラッチが入ります。(アッシュグレイ126)

手間をかけて作り出したのこ目や塗装は、「深い味わい」を生むためのものですが、それだけではありません。この床での生活が始まってから、さらに味わい深く育つ“きっかけ”にもなっているのです。

下の写真は、毎年2日間かけて床にオイルを塗り、3年間育てた状態のもの。3年という期間だけで、ここまで長年使い込んだような印象の床に変わります。これは、のこ目が入っていることで平滑なフローリングと比べて経年変化が加速しているから。本物の使い込まれた表情へと変化していくのです。

3年間育てた状態。節を埋めていた黒パテが摩耗し、味わい深い表情に。(ロースト)

ヴィンテージな空間に仕立てる

古い家具や雑貨が好きだけど、ツルツル ピカピカした建材でできた空間ではちょっと浮いてしまう……。『ヴィンテージ加工フローリング』は、そんな場面にぜひ使ってもらいたい素材です。

自らで味わいを重ねていくことを楽しみながら、時を共にしていくことを堪能してほしいと思います。

 

担当:一杉

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